毎日の健康管理にスマートウォッチを活用するなら、医療機器認定スマートウォッチを選んでみるのがおすすめです。厚生労働省により家庭用医療機器として正式承認された医療機器認定スマートウォッチなら、一般的なスマートウォッチよりも精度の高い計測が出来、病気の早期発見や病院受診の目安などに役立てることが出来ます。
今回の記事では、日本の厚労省認可の心電図機能や血圧測定機能などを備える、医療機器認定スマートウォッチの最新機種を一挙に紹介しています。自身の健康管理用デバイスとして医療機器認定機種を探している人も、高齢の両親へ贈るプレゼントとして探している人も是非参考に。
目次
医療機器認定スマートウォッチとは
医療機器認定スマートウォッチとは、家庭用医療機器として厚生労働省より認可を取得した腕時計型ウェアラブルデバイスのことです。医療機器認定機種は端末本体が医療機器認証を取得している場合や、端末内のアプリが医療機器プログラムの認証を得ている場合があります。
一般的なスマートウォッチの健康管理機能はフィットネスやウェルネス目的に留まるのに対し、医療機器認定機種の健康管理機能は医療目的であり、計測結果精度が厚労省お墨付きとなっています。医療機器認定スマートウォッチは医薬品医療機器法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)をクリアした正真正銘の医療機器であるため、毎日の健康管理や、病気の早期発見、病院受診の目安などに大いに役立ちます。
医療機器認定スマートウォッチの測定結果は、他の家庭用医療機器同様に病院の医師の確定診断に代わるものではありません。何らかの病気の兆候を示す測定結果が出た場合でも、病気を確定するためには病院を受診して再度検査を実施し医師による診断を受ける必要があります。(参照元:厚生労働省HP)
スマートウォッチメーカーの医療機器認定の比較
メーカー | 心電図 | 血圧計 | 血糖値測定 |
---|---|---|---|
Apple (Apple Watch) |
○ | - | - |
Google (Pixel Watch) |
△ (日本未認可) |
- | - |
Fitbit | △ (日本未認可) |
- | - |
Samsung (Galaxy Watch) |
△ (日本未認可) |
△ (日本未認可) |
- |
Garmin | △ (日本未認可) |
- | - |
SUUNTO | - | - | - |
HUAWEI | ○ | ○ | - |
Amazfit | △ (日本未認可) |
- | - |
Xiaomi | △ (日本未認可) |
△ (日本未認可) |
- |
OMRON | - | ○ | - |
数あるスマートウォッチメーカーの中で、日本国内で使用出来る医療機器認定スマートウォッチを販売しているのは、Apple(アップル)とHUAWEI(ファーウェイ)、OMRON(オムロン)の3社のみです。Google(グーグル)やFitbit(フィットビット)、Samsung(サムスン)、Garmin(ガーミン)、Amazfit(アマズフィット)、Xiaomi(シャオミ)といったメーカーも心電図や血圧計などの機能を搭載した機種を一部販売していますが、それらはどれもFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を取得しているものの日本の厚労省の認可は得ていない、FDAと厚労省ともに承認未取得、そもそも日本国内で販売されていないといった具合です。つまり、Apple社のApple WatchやHUAWEIのスマートウォッチ、OMRONのスマートウォッチ以外では、日本国内で使える心電図機能や血圧測定機能はありません。
また、近年は血糖値測定機能への注目度も高いのですが、厚労省認可の血糖値測定機能搭載のスマートウォッチはありません(アメリカのFDA認可の機種もなし)。現在、Apple社やSamsung社が針を刺す必要のない非侵襲血糖値測定機能の開発に尽力しているのですが、いつApple WatchやGalaxy Watchに実装されているかは全くの未定です。
amazonや楽天市場、ヤフーショッピングなどのネット通販サイトでは、定価1万円以下で心電図や血圧計、血糖値測定などの機能を搭載したスマートウォッチ(主に中国製)が販売されていることがありますが、これらは当然厚労省やFDAの認可を得ていませんのでその計測精度はかなりいい加減なものです。また、FDAは「スマートウォッチの血糖値測定は使わないで(FDA公式HP)」と警鐘を鳴らしています。
医療機器認定スマートウォッチの一覧【心電図機能】
厚生労働省より認可取得済みの心電図機能搭載スマートウォッチは、Apple社のApple Watchの上位モデル(Series 10/Ultra 2)と、HUAWEI社のスマートウォッチの一部モデルのみです。Google社のPixel WatchやSamsung社のGalaxy Watch、Garmin社の一部スマートウォッチも心電図機能を搭載していますが、厚労省より医療機器プログラムの承認を得ていないため日本国内では使用出来ません。
Apple Watch Series 10
- 日本国内認可の心電図機能搭載
- 不整脈に最も多い心房細動の兆候を検知するのに役立つ
- 医師にも広く認知されているから受診時に計測結果を持参しやすい
- その他のヘルスケア機能も充実
- 便利なスマート機能が多数
心電図機能を備えた医療機器認定スマートウォッチの一つ目が、「Apple Watch Series 10(アップルウォッチシリーズ10)」です。Apple Watch Series 10の最大の特徴は、厚生労働省認可の心電図アプリケーションを搭載し、心房細動を検知するのに役立つスマートウォッチである点です。心電図を記録出来る“心電図アプリケーション”と、不規則な心拍リズムを検出しユーザーへと通知する“不規則な心拍の通知”の2つの医療機器プログラムにより、不整脈に最も多い心房細動の早期発見や、病院へ受診する目安として多いに役立てることが出来ます。また、アップルウォッチ外来を設ける病院が増えているなど医師の間でもApple Watchの心電図機能への認知度が高く、Apple Watchの計測結果を持参することでスムーズに受診が出来ます。
Apple Watch Series 10は心電図機能以外にも、心拍数や血中酸素濃度、睡眠、睡眠時手首皮膚温など多くの健康関連機能を搭載し健康管理用として優秀です。さらに、iPhoneへ届くメール受診や電話着信などの通知が手元に届く通知機能を始め、メール返信機能、Bluetooth通話機能、音楽再生機能、電子マネー機能、ワークアウト機能など便利機能がたくさん詰まっています。
Apple Watch Ultra 2
- 心電図機能搭載機種のハイエンドモデル
- 厚労省認可の心電図アプリによる信頼性の高い計測結果
- 高級感とタフネスさを兼ね備えるボディ
- 最大36時間の長時間バッテリー搭載
- 高精度2周波GPS搭載でアウトドアやスポーツに最適
心電図機能を搭載した医療機器認定スマートウォッチの二つ目が、「Apple Watch Ultra 2(アップルウォッチウルトラ2)」です。Apple Watch Ultra 2の最大の特徴は、厚労省認可の心電図アプリを搭載したスマートウォッチとしては最高峰の機能性を誇るハイエンドモデルである点です。心電図機能やその他健康管理機能はSeries 10と全く同じですが、その他の点でSeries 10よりも優れています。
Apple Watch Ultra 2はApple Watchで最大の49mmサイズのケースを採用し、素材には高級腕時計でもお馴染みのチタニウムを採用しているため高級感ある外観となっています。MIL-STD 810H準拠で100メートルの耐水性能やIPX6等級の防塵性能を備えるなど、まるでG-SHOCKのようなタフネス仕様となっているのも特徴です。機能面では、Apple Watchで最長となる36時間連続使用可能なロングバッテリーを搭載し、都市部や山間部でも精度の高い位置情報取得可能な2周波GPSに対応し、オフラインマップ表示にも対応するなど、アウトドアやスポーツでも頼もしい機種となっています。さらに、水深40メートルまで楽しめるダイビング機能も搭載しています。
HUAWEI WATCH GT 5 Pro
- Androidでも使える心電図搭載機種
- Apple Watchに同様に厚生労働省認可取得済み
- 睡眠中呼吸乱れ検知やストレス測定、情緒測定など多彩な健康機能
- 最大14日間連続使用出来るロングバッテリー
- ゴルフナビ顔負けの本格的なゴルフ機能
心電図機能を搭載した医療機器認定スマートウォッチの三つ目が、「HUAWEI WATCH GT 5 Pro(ファーウェイウォッチGT5プロ)」です。HUAWEI WATCH GT 5 Proの最大の特徴は、厚労省認可の心電図アプリ搭載のAndroid対応スマートウォッチである点です。以前までは日本国内でスマートウォッチの心電図を利用するなら、iPhoneユーザー向けのApple Watchしか選択肢がなかったのですが、遂にAndroidユーザーも手元で心電図を測れるようになりました。
HUAWEI WATCH GT 5 Proは心電図以外にも、睡眠中呼吸乱れ検知や情緒測定、ボディメーカー(カロリー管理機能)など最先端の健康管理機能を搭載しているのも特徴です。また、最大14日間連続使用出来るロングバッテリー仕様となっているため、Apple Watchのバッテリー持ちに不満を持つiPhoneユーザーのApple Watch以外の選択肢として人気が高い機種です。そのほか、スポーツ機能も充実し、特にゴルフナビ顔負けの高性能なゴルフ機能が搭載されている点が非常に魅力的です。もちろん、近年人気急上昇中のダイビング機能(40mまでのフリーダイビング対応)も搭載しています。
医療機器認定スマートウォッチの一覧【血圧測定機能】
厚生労働省より管理医療機器として承認を得た血圧測定付きスマートウォッチは、OMRON(オムロン)社とHUAWEI(ファーウェイ)社の一部スマートウォッチのみです。Samsung社のGalaxy Watchも血圧測定搭載機種を展開していますが、厚労省の認可を得ていないため日本国内では血圧測定機能を利用出来ません。
OMRON HCR-6900T-M
- 厚生労働省が管理医療機器として承認した血圧計搭載機種
- 病院や家庭の血圧計と同じオシロメトリック法を採用
- 正しい測定をサポートする測定姿勢ガイド機能を搭載
- 薬の飲み忘れを防ぐ服薬リマインダー機能
- 測定値を遠くに済む家族との共有可能
血圧測定機能を搭載した医療機器認定スマートウォッチの一つ目である「オムロン ウェアラブル血圧計(HCR-6900T)」。HCR-6900Tの最大の特徴は、日本企業であるオムロンが開発した測定精度の高いスマートウォッチタイプの血圧計である点です。家庭用血圧計で有名なオムロン製だから安心して使えるということで日本国内はもちろん、海外でも非常に人気の機種です。独自開発したカフや新しい特許技術により、コンパクトな腕時計型でありながらも、厚労省も認める精度の高い血圧測定(最高血圧値・最低血圧値・脈拍数)が可能となっています。正しい姿勢での正しい測定を実現するために、測定姿勢ガイド機能を搭載しているため、自宅でも外出先でも手軽に精度の高い血圧測定が可能です。
また、一般的なスマートウォッチ同様にスマホに届くメール受信や電話着信などの通知機能があります。薬の飲み忘れを防止するための服薬リマインダーも備わっています。さらに、専用アプリであるHeartAdvisorを活用することで測定値を遠くに住む家族と共有することも可能です。そのため、血圧が気になる本人だけではなく、遠くに住む高齢の両親の健康状態が心配という人にも人気です。
HUAWEI WATCH D
- HUAWEIの血圧測定機能付きスマートウォッチ
- 厚生労働省より管理医療機器認証を取得済み
- 圧電式マイクロポンプを採用し静音設計の血圧測定
- 誤差±3mmHg以内の優れた測定精度
- 便利なスマート機能多数搭載
血圧測定機能付き医療機器認定スマートウォッチの二つ目である「HUAWEI WATCH D(ファーウェイ ウォッチD)」。HUAWEI WATCH Dの最大の特徴は、外出先でも手軽に血圧測定出来る静音設計仕様の血圧測定対応スマートウォッチである点です。高周波数の振動やカフ膨張時の騒音を少なくするために圧電式マイクロポンプを採用し、カフェなどの周りに人がいるところでも気兼ねなく血圧測定可能です。また、高精度圧力センサーやビッグデータを基に構築されたHUAWEI TruBPTM血圧アルゴリズムによる、誤差±3mmHg以内の優れた測定精度を誇る点も特徴的です。血圧測定リマインダー機能もあり、測定忘れなく、毎日同じ時間帯に血圧測定出来ます。
さらに、血圧測定機能搭載スマートウォッチとしては、非常に高機能です。通知機能やミュージックコントロール機能、ワークアウト機能、GNSS測位機能などを備え、健康関連でも血圧測定以外に心拍や血中酸素、睡眠、ストレスなどにも対応しています。現状、日本国内で使える血圧測定機能付きスマートウォッチとしては一番安いモデルであるため、外出先でも血圧を測定したいという人にとても人気です。
医療機器認定スマートウォッチの一覧【血糖値測定機能】
厚生労働省より医療機器としての承認を得た血糖値測定機能付きスマートウォッチはありません。日本の厚労省だけではなく、アメリカのFDAも世界中のどのメーカーの機種にも認可を与えていません。未認可でありながら血糖値測定機能搭載を謳う粗悪品もありますが、それらに対し、FDAは誤った測定値を鵜呑みにすると危険などの理由から、「スマートウォッチの血圧測定は使わないで(アメリカ食品医薬品局HP)」と警鐘を鳴らしています。ちなみに、Apple社やSamsung社がスマートウォッチ向けの血糖値測定機能の開発に尽力しているのですが、最新機種に血糖値測定機能が追加されるものはまだまだ先になりそうです。
医療機器認定スマートウォッチの全機種のスペック比較表
機種 | Apple Watch Series10 (46mm) |
Apple Watch Ultra2 |
HUAWEI WATCH 5Pro |
OMRON HCR-6900T-M |
HUAWEI WATCH D |
---|---|---|---|---|---|
画像 | ![]() |
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販売ページ | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon |
発売日 | 2024/9/20 | 2023/9/22 | 2024/10/9 | 2019/12/3 | 2023/6/14 |
価格 | 64,800円 | 128,800円 | 48,180円 | 94,800円 | 60,280円 |
サイズ | 46x39x9.7mm | 49x44x14.4mm | 46.3x46.3x10.9mm | 48x48x14mm | 51x38x13.6mm |
重量 | 36.4g | 61.4g | 53g | 115g | 40.9g |
ベゼル | アルミニウム | チタニウム | チタニウム | ? | アルミニウム |
バンド | シリコン | シリコン | シリコン | シリコン | シリコン |
ディスプレイ | AMOLED | AMOLED | AMOLED | ? | AMOLED |
画面解像度 | 416x496 | 410x502 | 466x466 | ? | 456x280 |
防水 | 5 ATM | 10 ATM | 5 ATM | IP22 | IP68 |
バッテリー | 18時間 | 36時間 | 14日間 | 48時間 | 7日間 |
対応OS | iOS | iOS | Android/iOS | Android/iOS | Android/iOS |
通知 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
通話 | ○ | ○ | ○ | - | - |
GPS | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
心拍計 | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
血中酸素 | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
心電図 | ○ | ○ | ○ | - | - |
血圧計 | - | - | - | ○ | ○ |
血糖値 | - | - | - | - | - |
睡眠計 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
音楽再生 | ○ | ○ | ○ | - | - |
電子マネー | ○ | ○ | - | - | - |
最後に:毎日の健康管理に医療機器認定スマートウォッチを活用してみよう
スマートウォッチの普及や機能性向上に伴い、厚生労働省より家庭用医療機器としての承認を得る医療機器認定スマートウォッチが増えています。医療用としては使えない一般的なスマートウォッチとは違い、医療機器認定機種はその機能性や測定精度が確かなものであるため、健康管理用として重宝します。現状は、Apple Watchシリーズの心電図アプリケーションや不規則な心拍の通知プログラム、OMRONやHUAWEIの血圧測定機能付きスマートウォッチが医療機器認定されています。是非それらを毎日の健康管理に活用してみましょう。